
女性のデリケートゾーンのかゆみ
■ 陰部の症状
⚫︎考えるべき診療科
外陰部や膣のかゆみ、腫れ、痛み、おりものの異常がある場合は、まず婦人科を受診しましょう。そのうえで、外陰部皮膚のかゆみやただれが主な症状の場合は、皮膚科での治療となります。
⚫︎外陰部のかゆみ、ただれ
外陰部皮膚はとてもデリケートで、下着や衣類の擦れ、おりものや経血の刺激などがかゆみの原因になります。長期間の掻きこわしが症状が長引く原因になっていることもあります。また真菌(カンジダや白癬菌)の感染があることもあり、疑わしい場合は顕微鏡検査で確認します(外来ですぐにできます)。症状が長期化し皮膚がゴワゴワして硬くなる「苔癬化」という状態になることもあります。
■ 胸(乳輪・乳頭)の症状
⚫︎考えるべき診療科
胸にしこりがある、痛みがある、乳頭(ちくび)から滲出液や出血がある場合は、まず乳腺外科を受診しましょう。そのうえで、乳輪や乳頭皮膚のかゆみやただれが主な症状の場合は、皮膚科での治療となります。
⚫︎乳輪・乳頭のかゆみ、ただれ
乳輪・乳頭(ちくび)は外陰部皮膚と同様にとてもデリケートです。下着や衣類の擦れ、長期間の掻きこわしなどが症状が長引く原因になっていることもあります。症状が長期化し皮膚がゴワゴワして硬くなる「苔癬化」という状態になることもあります。
■ 陰部湿疹、乳輪・乳頭湿疹の治療
・陰部症状で上記顕微鏡検査で真菌が確認された場合は抗真菌薬による治療を優先します。
・外陰部湿疹、乳輪・乳頭湿疹の治療は、ステロイド薬を中心とした外用治療が主体になります。外用治療のポイントは、
〜症状の程度や罹患期間に応じて〜
①適切な強さのステロイド外用を選ぶ(ステロイド外用薬には強さが5段階あります)
②適切なや外用頻度、外用期間の指導
③症状改善後、良い状態を維持するためのケア
です。「これまでもステロイド外用をしてきたが治らなかった」という患者さまの多くは、上記ポイントのどこかが不十分だったように見受けられます。
女性のデリケートゾーンの皮膚トラブルでお悩みの方、ぜひ一度ご相談ください。